3/26フォーラム戸塚にて

HPVワクチンの問題について、HPVワクチン東京訴訟支援ネットワーク代表世話人の隈本邦彦さんにお話を伺いました。HPVワクチンは、子宮頸がんを予防するものとして2013年に小学校6年生から高校1年生を対象に無料接種が実施されました。ところが、ひどい頭痛、全身の疼痛、脱力、不随意運動、睡眠障害、記憶障害など重篤な副反応を訴える事例が相次ぎ、厚生労働省は積極的な勧奨を打ち切りました。それなのに厚労省はこの4月から積極的勧奨を再開する決定をしました。ワクチンは以前と同じものであり、副反応についても「心の問題」などとして有効な解決策は示されていません。

このワクチンは子宮頸がんそのものを予防するわけではありません。200種類以上あるHPV(ヒトパヒローマウイルス)の中で子宮頸がんの原因となるものが約15種類あり、そのうちの16型と18型に有効であるというのがこのワクチンです。厚労省のリーフレットによると子宮頸がんの50~70%が16型と18型が原因です。有効期間は「12年維持される可能性がある」とされていますが、新しいワクチンなので詳細は不明です。ワクチンで防げないタイプのHPVもあるので、20才になったら定期的に検診を受けることが重要だとも言っています。これまで345万人が接種して副反応疑い報告は3396人(約1000人に1人)、うち重篤(入院相当以上)が1965人(約1800人に1人)で、これまでの定期接種ワクチンの平均値の9.9倍、重篤なものは8.8倍と、副反応疑いの頻度が極めて高いワクチンです。

また、厚労省のリーフレットでは若い女性に多いとなっていますが、日本人の女性に多いのは、乳がん、大腸がん、肺がんなどで、子宮がんは罹患率・死亡率ともに上位には入っていません。HPV感染から子宮頸がん至るまでには数年から十数年かかります。毎年約1万1000人の女性が子宮頸がんになり、約2900人が亡くなっていますが、その8割は50才以上であり、若い人が多数亡くなっているわけではありません。

日本はHPVワクチンの後進国だという意見もありますが、カナダ、イギリス、オーストラリアは約8割の接種率ですが、アメリカ、ドイツ、フランスでは5割以下です。イギリス、アイルランド、コロンビア、スペインなどにも被害者の会があり、治療法の確立などを求めています。

接種する前にメリットとデメリットを慎重に考える必要があります。