環境設計制度の見直しを

高層マンション建設をめぐり、浅草寺などが都に対し提訴

東京・浅草に建設予定の高層マンションをめぐって、浅草寺や近隣住民が、東京都に対し、高層建築を可能にする総合設計制度の許可を取り消すよう、行政訴訟を起こしたことが大きく報道されています。高さ133メートル、地上37階建ての高層マンション建設によって、景観や町の構成が大きく損なわれ、まちづくりや観光に悪影響を及ぼすと原告の住民は主張しています。

総合設計制度(横浜市では環境設計制度)敷地内に一定の公開空地を設けることで、容積率や高さの制限が緩和されるというものです。

磯子のプリンス坂近くの高層マンションも環境設計制度を利用して建設されていますが、公開空地とされている公園は駐車場を横切った奥にあり、その入り口には鍵がかかっています。その他、隣接した歩道の一部、マンションから道路までの敷地部分が公開空地だそうですが、許可をとるための数字合わせとしか思えません。

横浜プリンスホテル跡地への高層マンション建設も、この環境設計制度の考え方をベースにしています。また、港南台駅前の「港南台うぐいす団地」高層化に反対する住民も浅草寺と同様に、この制度による許可取消の行政訴訟を起こしています。

総合設計制度・環境設計制度は、その町の文化的、歴史的特徴、景観を破壊する高層マンション建設のための切り札となってしまっているのが現状です。
まちづくりを住民の手に取り戻すために、この制度の見直しを求めます。