新しい共生社会に向けて〜被災地に立ち、被災者の声を聞く〜

2011年10月30日 01時08分 | カテゴリー: 活動報告

東日本大震災から7ヶ月半が経ちました。28日政府は、第3次補正予算を国会に提出しました。震災からの復興を目指し、自治体が復興関連の事業に活用できる「東日本大震災復興交付金」の創設に1兆5612億円、放射性物質の除染費用として2459億円などが盛り込まれています。被災地の各自治体は、住民の合意を取りながら、復興計画をどのように具体化していくのかが今後の課題です。

被災者の方々は未来への大きな不安を抱え、遅々として進まない国や自治体の政治に苛立ちながら、7ヶ月半という時を忍耐強く生きてきました。被災地の圧倒的な広さと被害の深刻さを思うとき、自治体の復興計画が急がれるのはもちろんですが、それを超えて私たち一人ひとりがこの未曾有の大災害にどう向き合っていくのか、同時代を生きる責任が問われていると思います。

磯子市民ネットでは、宮城県登米市のNPO法人「ぐるっと」の立ち上げを支援し、都市部の人達と被災地とをつないできました。今回は神奈川ネットのメンバーと一緒に宮城県北部気仙沼市、南三陸町、石巻市を回り、地元で頑張っている方々のお話をお聞きしました。

気仙沼では、風向明媚な観光地にある地福寺の片山住職にお話を伺いました。片山住職は、避難所や地域を歩き、行方の分からない人の消息を聞き、安否を伝え、被災者の相談にのってきました。 子どもや身内をなくし、自分のせいとトラウマを抱えている人も多くいるそうです。集落は壊滅し、指定された避難所で50人以上の人が亡くなりました。片山住職は、今回の津波で自分たちが津波をなめていたことを痛感させられたと肩を落としていました。

震災直後、避難所で再開した人たちは、「生きていてよかった」と抱き合って喜びました。しばらくすると「保険に入っていたか?」という話になり、仮設住宅に入る頃には、「これからどうやって生きていこう。いっそのこと死んでしまえばよかった」という声があちこちで聞こえるようになったそうです。

しかし、こうした厳しい状況の中で、天を恨まずまたこの海で生きていこうと決意している人たちがいます。片山住職は、まず地福寺をこれからもみんなが集まるみんなのお寺、人生の学校としてやっていきたい、そして語り部としてこの震災の体験を語り継いでいきたいと話されました。

被災地に立ち、被災地の広さと被害の深刻さを実感し、圧倒的な瓦礫の山をながめ、被災者の言葉に聞き、犠牲者や被災者、被災地に心を寄せ、祈ること。片山住職が言う、人と人がつながり、人と大地、海がつながる、新しい共生社会が始まることを願って、「ぐるっと」とともに被災地研修ツアーをこれからも続けたいと思います。