不育症に公的支援を!

「不育症そだってねっと」の活動を聞きました

政治サロン「不育症について」
政治サロン「不育症について」
認知度が低い不育症
「不育症そだってねっと」の菅原さんにお話を伺いました。「不育症そだってねっと」は、不育症の周知と患者に対する公的支援を求めて活動している市民団体です。流産、死産や新生児死亡などを繰り返して子どもを持てないことを、不育症と言います。参加者の中にも、育児放棄(ネグレクト)のことかと思ったという声があり、まだまだ一般的に認知度が低い状況で、治療をせずにひとりで悩んでいる女性も多いと思われます。

適切な治療が必要
一般的には2回連続した流産・死産があれば不育症と診断し、原因を探索します。また1人目を正常に分娩しても、2人目、3人目が続けて流産や死産になった際、続発性不育症として検査・治療を行なう場合があります。妊娠した女性の2〜5%程度が不育症といわれています。原因は、血液凝固異常、子宮形態異常、甲状腺機能異常、夫婦の染色体異常などがありますが、適切な治療を受ければ約80%の人が出産できます。

多額な治療費
しかし、治療に保険がきかない場合があり、検査・治療・分娩に通常の3倍も費用がかかることがあります。不妊症治療については国の助成制度がありますが、不育症治療については自治体の助成制度が少しずつ広がり始めたところで、全国で31の自治体で実施しています。神奈川県では大和市、横須賀市、秦野市、綾瀬市が助成を行なっています。また、不育症治療の専門病院は神奈川県内にわずか1箇所、不育症検査を行なっている病院は県内に51箇所、横浜市内に21箇所です。

横浜市でも公的支援を
横浜市は保育所の待機児童解消など子育て支援には力を入れていますが、不育症については個別相談を行なっているだけです。産みたくても産めない人にも目を向け、支援をしていく必要があると考えます。