介護保険で借りられない医療機器~吸引器等に市は独自支援を~

入院期間が限られるなかで、たんの吸引が必要な高齢者が自宅で暮らすケースが増えています。しかし、介護ベッドや車いすなどは介護保険によって1割負担で借りることができますが、吸引器や吸入器は医療機器にあたり、介護保険の対象にはなりません。自費で購入かレンタルしなければならず、どうしても必要なものなのに負担が大きいとの声が出されています。

横浜市では、吸引器への給付は、難病患者や身体障害者手帳を取得している人の一部を対象としていますが、それ以外の高齢者等については給付の対象にしていません。それに対して仙台市では「おおむね65歳以上の寝たきりやひとり暮らし等」という条件で、日常生活用具として給付を行っています。申請書を提出することで生計中心者の市県民税額に応じて費用が給付されます。給付件数は年間30件~40件だそうです。人口370万の横浜市に置き換えれば100件~140件になります。

在宅医療が政策として進められ、自宅で暮らす医療が必要な高齢者が増えています。その場合、こうした高齢者や家族は病院を出て自宅で暮らすことに不安を持っており、出来る限り新たな負担を少なくして介護できる環境を整えることが必要です。医療機器は日常生活を営む上で絶対に欠かせないものです。介護保険の対象にならないのであれば、市の独自支援を検討するべきではないでしょうか。