購入業者まかせの計量
市が回収した古紙は、市内13ヶ所のストックヤードに集められ、3ヶ月ごとの指名競争入札で落札した業者に売却されます。その際、市は売却量を確認せず、業者の自己申告に基づいて代金が市に支払われていました。収集量と売却量は合致するはずであり、行方不明の5,643㌧を昨年度の平均単価で計算すると約3,000万円の損失になります。横浜市は、7月からは計量体制を見直すと言っていますが、古紙の行政回収システムそのものに問題があるとネットは考えます。
「その他の紙」の基準が問題
「横浜G30プラン」がスタートし、それまで焼却されていた紙ごみも資源として生かそうと、横浜市による古紙回収が実施されるようになりました。ところが、昨年10月に、横浜市の古紙業者から「その他の紙」の基準を見直すよう要望書が提出されました。従来からの資源集団回収では禁忌品とされていたもの(再生紙の原料とならない紙コップや感熱紙など)を行政回収では回収対象としたため、資源集団回収の現場でも混乱が生じ、横浜の古紙の質が下落しているということでした。
ネットでは、回収業者や資源集団回収の実施団体などに聞き取り調査を行ない、この調査に基づき議会では若林市議が、「その他の紙」のリサイクルルートが確立しないまま、G30をスタートさせてしまった問題点を再三にわたり指摘してきました。
G30の数値目標達成だけが目的化
紙は重量が重く、G30の数値目標達成のためには重要な品目です。そのため、禁忌品の資源化を古紙業者に押しつけるような強引な手法が行なわれ、その結果、一部の業者による売却量の過少申告を黙認せざるを得ないような土壌をつくってしまったのではないかと推測されます。
地域の静脈産業の持続可能な発展のためにも、G30の数値が後退しても、まずは確実に再生紙の原料となるものを回収するべきであると考えます。
古紙の行政回収システムの見直しを求める要望書を提出
ネットは古紙の行政回収システムについて、以下の4項目を横浜市資源循環局に要望しました。
1.古紙の行政回収の「その他の紙」から禁忌品を除く
2.入札は、新聞、雑誌、段ボール、紙パック、その他の紙の品目ごとに行なう
3.売却にあたっての計量は、横浜市と落札業者の双方の立会いのもとで行なう
4.再生紙の原料としての古紙の価値について、的確な情報を市民に知らせる