原子力空母の母港はいらない

市民の意思を無視する知事や市長の発言

これまで原子力空母の受け入れに反対の意思表示をしていた蒲谷横須賀市長が米海軍が作成した「米国の原子力軍艦の安全性に関するファクトシート(概要書)」に対して「安全性が確保できるのであれば、容認せざるを得ない」と述べ、容認へと大きく舵を切った。松沢成文知事もこの報告書を評価する発言をしている。

これに対し、専門家からは96年サンディエゴ基地に配備する際に説明した内容とほぼ同じものであり、「安全性を裏付けるデータはない」と批判の声が上がっている。横須賀市が質問書を出した時点で、米軍から「安全」との回答が来ることは予想された訳で、この程度の報告書で市長や知事が容認に変わるというのであれば、出来レースとしか言いようがない。

いったい市長や知事は市民14万人の署名をどう考えているのだろうか。これだけの市民が反対の意思表示をしたことの重みに比べて、米国の科学的データに乏しい報告書はあまりにも軽い。国に引きずられた政治をするのか、市民を向いた政治をするのかが問われていることを市長や知事には自覚してもらいたい。

アメリカの軍事的世界戦略の中で基地の強化、恒久化につながるこの原子力空母受け入れに対してあきらめずに粘り強く反対の声を上げていきたい。

磯子市民ネット代表 永島 順子