山下ふ頭再開発検討委員会 委員長が辞任! 議論の行方は?

山下ふ頭再開発の第4回検討委員会が7月12日に開催されました。1月12日に第3回が開催され、次回は春ごろという話でしたが、半年も経ってからようやく開催され、その間に何と寺島実郎委員長が辞任という異例の事態です。

第3回からは、港湾、倉庫、建設、商店街など地元企業6団体の代表が新たに検討委に参加し、その中には横浜港振興協会の藤木幸夫会長が含まれています。藤木氏は市長選で山中市長を支援し、横浜港ハーバーリゾート協会会長として再開発の事業者提案に応募しています。新聞報道によると、寺島氏の辞任理由の一つは、「世界の港湾の動向を踏まえたまちづくりの在り方について議論することを求めていたにもかかわらず、地元関係団体が参加することで、検討委が本来市や市議会が担うべき利害調整の場になってしまう」という危惧です。

私たちは山下ふ頭再開発については、基本計画から見直すべきと主張してきました。社会・経済状況が大きく変容している現状から、さらに将来を見据えた計画が求められています。当初の検討委ではそのような基本的な議論が期待されましたが、委員長の交代でどうなるのか懸念されます。しかし、第4回検討委でも、カジノを含むIR誘致の際には市民への情報提供は不十分で政策決定の過程も見えづらかったとして、「市民による市民のための検討が担保されるべき」という意見が出ました。説明会ではなく公聴会を開くべきという指摘もありました。学識者委員の皆さんには、既定路線で進めようとする勢力に異議を唱えてほしいと思います。

カジノ誘致で市民の意思を軽視した失敗を踏まえて、当局には情報公開の徹底と政策形成過程への市民の関与を求めます。検討委は年内に答申を出すスケジュールですが、今後の議論に注視していきたいと思います。