学校を対象に「監査部門」を設置?

新聞報道によると、山中市長は4日の定例会見で、いじめや不登校の問題に学校が適切に対応できているか目を光らせる「監査部門」の設置を検討していると発言しました。

2020年にいじめが原因で自死した中学生への学校側の対応や教職員の性加害事件の公判に職員を大量動員して一般の傍聴を妨害した問題への対策のようです。市長は、教育委員会が「子どもたちに寄り添えていなかった」「教育委員会の自律的な再生なくして問題の本質的な解決にはなり得ない」として、監査部門の新設が「不正や腐敗の抑止力になる」と述べたそうです。

果たして「根本的な対策」になるでしょうか。市立小学校334校、中学校143校にどのように対応するのでしょう。監視システムのようで息苦しい感じがします。現場の教職員を委縮させるのではないでしょうか。現職の教師からは教育現場は疲弊しているという声を聞きます。今や教師の仕事はブラックとまで言われて、なり手が少なくなっています。教師の数が増えれば個々の負担が軽減され、子どもたちの問題に丁寧に取り組めるのではないかと思います。まずは教師の働き方の改善に取り組むべきです。

横浜市は6月議会で子どもや子育てに関する施策を推進するために「横浜市こども・子育て基本条例」を制定しましたが、子どもの権利に関わる内容であるにも関わらず「権利」という文言が明記されていません。制定にあたり子どもたちや市民の意見を十分に聞く場も持たず、国の「こども基本法」に準じて取りあえず制定したとしか思えません。「子どもの権利」を軽視して子どもたちに寄り添えるのか疑問です。学校や教育委員会のいじめ対応を批判されることを恐れての対策、自己保身としか思えません。

詳細はまだ不明ですが、今後の議論を注視していきます。