改革は「政治とお金」から

時代遅れの「功労金制度」はついに廃止
 「功労金制度」は、2期8年以上務めて退任した県議会議員に現金100万円を支給するというものです。2003年に、当時のNETの蟹沢道子県議(横浜市神奈川選挙区)が2期8年で退任する際はじめてこのことを知り、蟹沢前県議は功労金を辞退しました。NETでは他都市の例も調査し、現金を支給しているのは神奈川県だけであり、財政が逼迫していると言いながらの余りにも時代遅れなこの制度を市民に明らかにし、廃止を提案しました。この間もNETでは、さまざまな議員の特権「お手盛り」制度を廃止する運動に取り組んできましたが、今回の決定はその成果のひとつです。

政務調査費は、「申請主義」で 
 東京都目黒区で政務調査費の領収書の調査結果から、議員6人の辞職にまで発展する事件が起きました。これは領収書の添付があったからこそ市民に明らかになったことであり、そもそも領収書の義務づけのない神奈川県(月額53万円)や横浜市(月額55万円)の議員の政務調査費は、その入口にも立っていません。
 首長の補助金として税金から支出されてきた調査研究費は、2001年4月から総務省の指導により「政務調査費」として条例化が義務づけられました。その際、多くの自治体議会が総務省のモデル条例通りとし、額の多い議会ほど領収書の添付を義務化しませんでした。
 NETは、条例化にあたっては「議員個人への支給」と「申請主義」の考え方に基づき、2001年2月に横浜市議会で政務調査費条例を議員提案しました。これは「会派」という地方自治法にも議会条例にも定義のない組織を支給対象にするのではなく、議員一人一人がその活用について市民に対し説明責任があること、年間の上限額の中で調査研究が必要な政策テーマについて期限を決め、成果物を示して、必要な金額を申請するべきとの提案です。
 領収書の添付は政務調査費活用の公開の入口にしか過ぎません。例えば、視察費の旅行会社の領収書があっても、資料購入費として図書券の領収書があっても、それがどのように調査研究の成果になったのかは見えません。
 私たちは、政務調査費の本来の目的である調査活動・政策形成への活用をめざし、あらためて「議員個人への支給」と「申請主義」を原則とする「政務調査費条例」を提案します。