住民の意思が反映される都市計画提案制度に!

横浜プリンスホテル跡地開発計画が再提案

横浜プリンスホテル跡地の都市計画提案について、横浜市主催の説明会が開催されました。開発業者は、海に臨む60mの丘の上に、31mの高層マンション群1250戸を建てるという計画を再提案しています。この丘は、本牧から金沢八景に連なる横浜の美しい丘陵地の一部をなし、汐見台、岡村へと続く風致地区を含んでいます。

この説明会には、周辺各地から約150人の住民が参加し、風致地区への高層マンション建設について、道路の一般開放、斜面緑地の担保性など、活発な質疑が行われました。

今回は磯子開発特定目的会社という、この開発だけを目的としてつくられた会社がこの制度を使って提案していますが、本来、都市計画提案制度は、そこに住み暮す人たちが自分達のまちをどうつくるかを考え提案する制度であるべきです。また、こうした開発業者による提案に対しては、周辺住民の意思が反映されるしくみになっていなければなりません。

提案の評価基準には、「周辺住民との調整が整い、概ねの賛同が得られること」とありますが、「周辺住民との調整が整う」とは誰とどういう手続きで何をすればいいのか、「概ねの賛同」とはどのくらいの数なのか、それを誰がどう調査するのかなどは明確になっていません。

また、「横浜市のまちづくりの方針に則していること」とあり、市や区のマスタープランとの整合性が挙げられていますが、マスタープランがそもそも総論的あり拘束力をもつ内容にはなっていません。この地域について言えば、区のマスタープランには、丘陵部の風致地区を将来にわたり維持・保全するとある一方で、商業、業務機能を充実させるべき地域拠点であるとも書かれています。

まちづくりの原点に立って、住民の意思が反映される都市計画提案制度のあり方について提案していく必要があります。