南三陸町に行ってきました

市民の自治力を活かした町づくりを!

仮設住宅の集会所で佐藤さんと懇談
仮設住宅の集会所で佐藤さんと懇談
磯子市民ネット東日本大震災支援カンパの会で支援した南三陸町中瀬町行政区の皆さんの仮設住宅を訪問し、区長の佐藤徳郎さんにお話を伺ってきました。地域コミュニティを維持するために行政区の住民が一緒に仮説住宅に移りたいと、自分たちで民有地を確保し粘り強く交渉して、抽選をせずに地域住民優先の入居を実現しました。

中瀬町行政区では、197戸のうち8戸を除いてすべて津波に流されてしまいました。今後の町の復興再建に向けて、佐藤さんたちは106ヘクタールのゴルフ場建設予定地を9,300万円で確保する計画案をつくり、町議会で議決すれば国のモデル事業として予算がつくというところまできたそうです。ところが町議会は町長選の対立の構図そのままで、提案は委員会で継続審議となり、対案も示されないまま事実上棚上げ状態です。国のモデル事業は全国で3ヶ所だけであり機を逸してしまうので、請願書を提出するということです。また、公立志津川病院が被災したために提案された新たな病院建設案も否決されたそうです。一方で、1億円を寄付した建設業者に仮設住宅建設事業を高値で斡旋しようという動きがあったそうです。市民生活のために働かない議員や議会に対して、強い失望や怒りが語られました。

南三陸町では瓦礫の撤去はかなり進み、志津川病院など鉄筋コンクリートの建物だけが形をとどめています。しかし、あちこちに瓦礫の山ができているという状態で、その処理方法も決まっていません。9月11日はちょうど震災から6ヶ月目であり、テレビで有名になった鉄骨だけの防災センター前にも訪れる人が多く花が供えられていました。半年経っても未だ先の見えない復興再建への道のりに市民の苛立ちは募っています。今後も佐藤さんたちの活動に注目し、応援していきたいと思います。