中学校に配達弁当を導入 ー民間企業に丸投げで食の安全は大丈夫?ー
横浜市は28年度中に「横浜型配達弁当」を全中学校に段階的に導入します。共働き世帯の増加や就労形態の多様化など社会状況の変化から、弁当作りが困難な家庭が増えているというのが主な理由です。市は約2割の家庭が利用すると想定して事業者を公募し、㈱JMCが選定され、28年度は4億5200万円が予算化されています。弁当の価格は利用者負担で消費税込みで400円、ごはん・おかず、汁物、牛乳が用意され、ごはんの量は3種類、おかずは2種類から選べる、汁物と牛乳は単品でも注文できる、牛乳は別料金ということです。
市は㈱JMCと委託契約を結び、㈱JMCが全体を統括し、協力事業者として、㈱わくわく広場が献立作成、衛生管理指導、注文・決済の管理等を担い、㈱美幸軒、ハーベスト㈱、エンゼルフーズ㈱の三社が、弁当製造、配達・回収等を行います。
給食ではないので、学校給食法による基準は適用されません。食の安全・安心については、今後、㈱JMCと協定を結ぶなかで検討を進めるとしています。食材の産地、添加物、放射性物質、残留農薬、遺伝子組み換えなどに十分留意し安全性を保証し、その情報を公開するべきと考えます
給食の場合は、給食費は食材費のみの徴収で、就学援助の対象となります。中学校で就学援助を受けている生徒は約13,000人(約16%)ということです。市は昼食の確保が困難な生徒への支援として3000万円を予算化していますが、子どもの6人に1人(約17%)が貧困と言われている社会状況で、その支援策としてはあまりにも少ないではないでしょうか。支援対象者の線引きをどうするのかも問題です。
また、人件費も含めて消費税込みで400円という価格で、弁当の作り手等の良好な労働環境が確保できるのかも疑問に思います。