山下ふ頭再開発検討委員会 玉虫色の答申案!
昨日、第6回山下ふ頭再開発検討委員会が開催されました。会場での傍聴者は20人と制限があるため、インターネット中継を視聴しました。ネット視聴者数は60~70人程でした。今回はこれまでの委員会での議論と市民からの意見を踏まえて市当局から答申案が示され、それに対して各委員が意見を述べました。
答申案では、目指すべき姿として①世界に誇れる、見せる「緑と海辺」空間の創造、②市民と共に歩み、豊かなみらいにつなげる持続可能なまちの実現、③横浜らしさと賑わいが広がり、新たな活力を創出する都市モデルの構築 という3つ目指すべき姿が提案され、それを実現するための基盤・空間の考え方として①まちをつなぎ一体感を高める交通アクセスの充実、②安全・安心とレジリエンス(強靭性、適応力)の確保、③横浜らしさを感じる景観づくり が示されました。
第3回の検討委員会から学識者委員に加えて地域関係団体委員が参加することになり、これに異議を唱えた委員長が辞任するという事態になりました。地域関係団体からの委員は建設業者や元町商店街代表、倉庫業者、港運関係代表などが参加しています。当然ながら民間の力で開発するためには収益が見込める計画でなければいけないという意見が出ます。一方で市民からの意見では、緑豊かなオープンスペースや災害時の拠点、スポーツ総合施設、交通アクセスの充実などの意見が多く見られました。答申案はこれらを網羅したもののようですが、幸田委員(神奈川大学)からは市民の共有材(コモン)と収益の両立は難しいのではないかと指摘がありました。カジノを含む統合型リゾート施設(IR)誘致のときには、市民の意見を無視して強引に進めようとして、結局は市長選の結果を受けて撤回しました。この経験を教訓に市民参加の強化が重要であり、具体的な事業計画づくりにおける実質的な市民の関与をこの答申に明記するべきだと主張しました。偏りのない市民の声を聞くのは難しいという意見もあり、議論は紛糾しました。結局、山下ふ頭再開発検討委員会条例に基づいて採決が行われ、市当局から提示された答申案が委員会の答申として承認されました。傍聴席からは「カジノと同じだぞ」とヤジが飛びました。
2026年度ごろ事業者を選定し2030年ごろの開業を目指すということですが、今後の事業計画の策定に市民参加をどのように保障するのか大きな課題を残した結果となりました。