アフガニスタンの現状を聞きました
NPO法人WE21ジャパンいそご主催の「アフガニスタンのお話」を聞く報告会に参加しました。お話されたのは、アフガニスタン大使館員のバブリさんで、約20人が洋光台のシェアベースに集まりました。
アフガニスタンと聞いて思い浮かぶのは、ソ連軍の侵攻、バーミヤン遺跡の破壊、タリバン、ウサマ・ビン・ラディン、アメリカとの戦争、ペシャワール会中村哲さんの活動と暗殺、女性教育禁止など、負のイメージしかありません。食文化や、文学、音楽、映画、歴史など、ほとんど知りません。
2001年9月11日の同時多発テロのあと、アメリカ主導のアフガニスタン侵攻が始まりました。戦争は泥沼化し、2021年8月にアメリカが完全撤退するとタリバンが政権を掌握しました。
人口は約4,000万人、平均年齢18才、平均寿命63才の若者が多い国です。識字率は男性50%。女性34%です。80%が農業に従事し、戦争がなければ、十分に食べていける国です。干ばつが大きな問題ですので、中村哲さんの用水路建設は重要な事業でした。
WE21ジャパンは設立当初からアフガニスタン支援を行ってきました。特に女子教育支援が重要であると取り組んできました。しかし、アメリカ軍の撤退に伴って、JICAも含めた国際社会からの援助が閉ざされ、海外からの送金もできなくなり、市民生活は厳しい状況になりました。国連を通じた支援はありますが、食糧などの支給で経済的自立につながるものではありません。女性の権利については、制限する75以上の法令等があり、6年生以上の教育禁止、外に出て働くこともできません。
バブリさんは合同会社「アフガンサフラン」を設立して、アフガニスタンの国民食であるドライフルーツ&ナッツなどを自然栽培・農薬不使用・天日乾燥で栽培・販売することで、女性の雇用をつくり自立を支援しています。また、教師や警官などの職を失った女性による絨毯の製作・販売も行っています。WE21ジャパンいそご洋光台店ではフェアトレード品としてドライフルーツ&ナッツを販売しています。
バブリさんによると、タリバンの過酷な女性政策は、長い間虐げられ、いじめを受けてきた人が、暴力的になるのに似ているということです。このような厳しい状況でも戦争よりはましだと人々は受け止めているようです。バブリさんは武力を使わずに少しずつでも社会を変えていきたいと考えています。アメリカやソ連、古くはイギリスに武力によって翻弄されてきた歴史を顧みて、外国の力によってではなく、自分たちで国をつくっていこうということだと思います。。
私たちに何ができるか? まずは、知ること、知らせることからはじめようと思いました。