第35回定期総会を終えて
磯子市民ネットは第35回定期総会を3月29日に磯子駅前の社会教育コーナーで開催し、すべての議案が承認されました。
少子高齢化、物価高、米不足、貧困の増加と格差の拡大、日米一体化した軍事力強化、原発の再稼働・新設の推進、有機フッ素化合物汚染、能登地震・豪雨災害対策の遅れ等々、政治課題は山積しています。横浜市でも、2027年開催予定の国際園芸博覧会や山下ふ頭の再開発等の大規模開発など、懸念される問題が多々あります。8月には市長選挙があり、山中市政の検証も必要です。磯子市民ネットは会員の高齢化が進み、世代交代が難しい状況ですが、今しばらく、会員や市民の皆さんの課題を捉えて、市民の政治参加を進めていきたいと考えています。
会員や運動グループからご意見やメッセージをいただきましたので、いくつかご紹介します。
☆高齢者福祉に取り組むNPOから:介護保険制度改定で訪問介護の介護報酬が減額されて、経営が厳しくなっている。ヘルパーの処遇を改善すれば、処遇改善金が支給されるが、小規模事業者には要件をクリアするのが困難。また、大手事業者は要支援を受けないので、要支援や軽度の介護が小規模事業者に集中し、事業収入が上がらないという問題もある。小規模事業者を淘汰するという流れだが、多種多様な福祉が共存し選択肢がいっぱいあるのが豊かな地域福祉だと思う。
☆同じく高齢者福祉に取り組むNPOから:来年で設立から35周年になるが、会員の高齢化や自分の家族の介護などで、人員の確保が大変。介護保険の事務作業が膨大で、ヘルパーとして働きながら事務作業もと疲労困憊している。産前・産後などの子育て支援の依頼も多いが、これは介護保険にはカウントされないが人手は必要というジレンマもある。大規模化を進める政府の意向を受けて、M&A(合併・買収)の電話がかかってくることがある。
☆海外支援のNPOに取り組んでいる会員から:2年あまり「いそご多文化共生ラウンジ」の外国人相談窓口の業務に携わって、行政の外国人対応、特に日本語支援に疑問を覚えている。少子高齢化による労働人口不足で外国人の受け入れ規制を緩めるのであれば、それ相応の仕組みづくりが必要だ。学校や公共施設などでの通訳ボランティアに丸投げになっていて、現場は悲鳴を上げている。外国人に対する日本語教育も個人ボランティアの日本語教室任せで、週に1~2時間の語学教育で修得できるはずもなく、諸外国と大きく対応が異なっている。
☆会員で郷土史家の葛城峻さんからのメッセージ:磯子小学校前の真照寺に、戦時中台湾から日本軍に徴兵され戦死した約3万2千人の人々の慰霊碑を建立する計画に取り組んでいる。戦後80年にあたり、恒久平和および日本と台湾の友好親善促進を祈念する場所としたい。真照寺の先代住職は予科練出身で特攻として亡くなった戦友への想いが深く、戦後は磯子区の原水爆禁止運動で会長を勤められたとのこと。現在、クラウドファンディングで資金を募っている。ぜひご協力をお願いしたい。

磯子市民ネット第35回定期総会
台湾出身戦没者慰霊碑建立委員会のホームページ https://camp-fire.jp/projects/821874/view