マンション建設 周辺住民とトラブル

磯子区洋光台3丁目でマンション建設について、周辺住民から環境等の影響を懸念して市議会に請願書が出され、9月16日の建築・都市計画・道路委員会で審議されました。

周辺住民の懸念事項は日照権などの影響に加えて、土壌汚染問題があります。建設用地には昭和30年代後半から40年代前半にレンズの研磨工場がありました。そこで研磨剤としてトリクロロエチレンが使用されていました。トリクロロエチレンは1980年ごろまではドライクリーニングや半導体製造の研磨剤として利用されていましたが、発がん性が判明したため、現在はほとんど使われていません。事業者は当初レンズ研磨工場は短期間の存在であり、特定有害物質の製造、使用等を行っていたとことは明らかになっていないとして、土壌汚染調査は行いませんでした。しかし、基準を超える汚染が発覚し、周辺住民の不信感が増大しました。汚染土壌について事業者は適正に対処したと言っています。これに対して周辺住民は土壌汚染等に関する説明会の開催を要請していますが、事業者は説明は尽くしたという対応です。委員会では、市民への説明というのは文書を各戸にポスティングすればいいと言うものではない、説明会を開催するべきだと主張する意見が出ました。しかし、横浜市は法令に則って進められているとして建築を許可し、事業者には周辺住民への丁寧な説明を指導しているというだけで、説明会開催を強制はできないと言っています。請願は不採択となりましたが、2023年5月に計画が発表されてから2年以上になりますが、未だに周辺住民の納得は得られていません。

オーフス条約という国際条約があります。環境問題に関する市民の権利を保障するもので、環境問題に関する情報へのアクセス、意思決定における市民参画、司法へのアクセスを保障しています。現在欧州を中心に48カ国が批准していますが、日本はまだ批准していません。国内の情報公開制度や行政手続きなどの法整備を早急に進め批准するべきだと思います。