相次ぐ首長の汚職
昨年は、和歌山、福島、宮崎などで、知事の談合事件や収賄での逮捕が続きました。地方分権の推進、自治権の拡大をリードする知事の逮捕は、市民にとって政治への信頼を損ねる残念な事件です。相次ぐ知事の汚職は、多選の弊害とも言われていますが、それ以上に、知事や市長に権限が集中していて、自治体議会がチェック機能を果たしていないことに問題があります。
議会の機能が問われている
日本における地方自治の制度は、首長と議会を、有権者がそれぞれ直接投票で選出する「二元代表制」です。これは「議会と首長は車の両輪」として、協調と緊張関係の中で民意にそった判断をしていくことが求められます。しかし、予算などの議案提案権や人事権は首長に集中し、議会より圧倒的に権限が大きいというアンバランスがあります。議会で審議される議案のほとんどが、首長から提案されており、その割合は約9割にのぼります。議員による提出議案はわずか1割で、その内訳を見ると、新規の政策的条例案はわずか0.8%に過ぎません。また、首長から提案された議案のほとんどが、議員による行政側への質疑だけで、議員同士で討論されることもなく、そのままのかたちで議会を通過しているのです。自治体議会の機能そのものが問われていると言えます。
議会改革こそが必要
私たちはこうした自治体政治のあり方に強い危機感を抱き、市民の信頼を取り戻すためには議会改革こそが必要と考えています。議会は本来、市民の様々な声を代表する議員が、自ら議案を提案し、自治体の運営全般について討論して、地域の意思決定を行なっていく場です。この「民主主義の広場」をつくり出さなければなりません。また、市民へ情報公開とともに、市民が議案の審議に直接発言できる機会を保障することも必要です。
神奈川ネットワーク運動は、市民政治を拡げるために自治体議会改革に取り組みます。