1ヵ月当たりの補助金・児童数の比較
税金を有効に使うには
児童1人あたりの税金額を比較するための基礎となる参加児童数をこども青少年局に請求しても、なかなか適切な数字が出てきません。キッズもはまっ子も17時までは参加料が無料なため、登録数と参加数に大きな開きがあります。一方、学童は平均1万5千円を親が負担していますから、登録した児童は必ず参加します。キッズとはまっ子も実績で補助額を算定することにはなっていますが、参加数に関わらず基本補助額(キッズ10,575,500円、はまっ子5,363,000円)は出ます。学童は3年生以下の児童数が9人以下では補助金の対象になりません。
キッズクラブの費用対効果は疑問
こども青少年局は、キッズとはまっ子の優位性を「全児童対策」だと言っています。さらに、はまっ子では不十分なので、キッズを始めたということです。子どもたちが体験できるプログラムなどを用意するとともに、留守家庭対策として19時まで居場所を提供するというものです。しかし、キッズの参加児童数がはまっ子より多いわけではありません。17時以降の参加数も平均12.5人(20年4〜7月実績)です。中期計画で22年度末までに102ヵ所で実施するということですが、全校展開する方針が示されているわけではありません。横浜市の放課後児童対策は、迷走していると言わざるを得ません。
地域社会の中で人とのつながりを育むために
NPOが運営する地域の居場所「根岸ほっこり村」や青葉区のパレット学童保育室いるかくらぶ等の実践から、少子化、孤立した子育て、軽度発達障がい児の増加など、今子どもたちを取り巻く社会のさまざまな問題が見えてきます。放課後の子どもの居場所は、仕事を持つ親の子育て支援というだけでなく、不登校など学校や集団生活になじめない、発達障がいなどで他者とのコミュニケーションが苦手だったり、学習障がいなどの問題を抱えている、特別支援学校などに通っていて地域の人との接点が少ない、少子化、核家族化によって、いろんな世代の人との交流が少ないなど、ニーズは多様化しています。さまざまな状況にある子どもたちが、地域社会の中でともに遊び、学び、育つ環境をつくることが大切であり、そのために、人と人とのつながりや助け合いを育む居場所を、親や地域の人々が協力してつくることができる制度整備が必要です。学校施設の中だけで、多様な子どもたちの状況に対応できるものではありません。