統合型リゾート施設(IR)誘致の是非を問う
市民説明会に行ってきました
IRとは、カジノ、MICE(国際会議場、展示場)、ホテル、レストラン、ショッピングモール、エンターテイメント施設等が一体となった施設群です。横浜市は大阪など他都市に比べて外国人宿泊者が少ない、公共施設の老朽化や超高齢社会における医療・介護などの義務的経費の増加があり、これに対して市税収入は微増の見込みで将来的に赤字が予想される、その対策としてカジノを含むIR誘致を検討しているという説明でした。市からの要請を受けて12の事業者が構想案を提出しました。いずれも山下ふ頭(47ha)を立地場所としていますが、大雑把な構想で経済効果など根拠のある数字ではありません。
質疑応答の時間は15分の予定でしたが、参加者の要望で1時間になりました。主な意見は次のとおりです。①報告書はカジノ導入に誘導するような作り方だ。事前調査では反対が8割だったはずだが、報告書では賛成意見を多く取り上げている。外国人宿泊者数のグラフの作り方が意図的だ。②市の収入を増やすためにIR導入はおかしい。③山下ふ頭の開発を民間に丸投げしていいのか。④ギャンブル依存症についての調査・対策等が不十分。⑤カジノによるマイナス面、反社会的勢力やマネーロンダリングなど問題が多い。⑥市民の意見は反映されるのか。
カジノはもちろん、そもそもIRは必要か?
横浜港運協会の藤木会長は、カジノ抜きでのMICE施設の誘致をめざすとして新団体を立ち上げました。新聞報道によると、これに対して林市長は誘致は白紙としながらも「カジノがなければ(採算をとることは)非常に難しい」と言っています。しかし、そもそもMICE誘致は必要なのでしょうか。近隣には幕張メッセや東京ビッグサイトがあり、東京都は築地市場跡地にMICE誘致という計画を発表しました。全国各地でも計画が進んでいます。大型開発で経済効果を期待する手法は疑問です。
安倍政権はトランプ大統領の意向を受けてカジノを含むIR整備法を成立させ、成長戦略のひとつと位置付けています。人口減少社会において持続可能な開発に逆行するものではないでしょうか。