東日本大震災復興まつり ~原発事故の傷跡を忘れない~
昨日、臨港パークで生活クラブ生協神奈川主催の「東日本大震災 復興まつり」が開催され、東北から生産者やさまざまな団体が出展し、美味しい楽しい時間を過ごしました。神奈川ネットも協賛団体として、支援グッズの販売や食に関するアンケート調査などを行いました。震災から12年が経過し「過去の災害」となりつつある中で、忘れずに被災地との関係性を継続していくことが大切だと考えています。一見したところ復興は進んでいるようですが、未だにさまざまな問題が未解決なままになっています。
福島第一原発事故により排出が続いている汚染水については、トリチウム以外の放射性物質を安全基準値以下処理にし、トリチウムは海水で希釈して安全基準値以下にして海洋放出しています。漁業者や中国等はこれに反発して問題になっています。廃炉への道筋は全く見えていません。
宮城県では放射能汚染された稲わらや牧草等の処理に苦慮しています。震災直後に登米市で稲わらから8,000ベクレル/㎏を超える放射性物質が検出されました。登米市は仙台牛の生産地です。8,000ベクレル/㎏を超えるものは「指定廃棄物」として国の責任で適正処理することになっていますが、未だに私有地の農地に保管されたままです。当初は2年間の一時保管ということでしたが、12年が経過しました。登米市には24か所219戸の農家に2,235トンの汚染稲わらが保管されています。8,000ベクレル/㎏以下の汚染廃棄物は、一般廃棄物として市町村が処理することになっていますが、これもなかなか処理が進まず大きな課題となっています。
取り返しのつかない膨大な負担を人にも大地にもかけ続けている原発事故の実態を直視し、原発に頼らないエネルギー政策に舵をきるべきです。