図書館ビジョン(素案)が発表されました

10~20年後を見据えた「横浜市図書館ビジョン」の素案が発表されました。2024年1月21まで市民意見を募集し、今年度中に策定するということです。

横浜市立図書館は1921年に今の中央図書館が開業し、1974年に2館目として磯子図書館が開館しました。それまで人口250万の横浜市に市立図書館は1館しかなかったわけです。磯子区には汐見台文庫活動や図書館をつくろうという市民運動があり、市民の熱い思いが2館目誘致につながったと思われます。市は1981年に1区1館建設を方針化し、1995年に全18区で開設されることになりました。その後、26館構想があったようですが、経済状況が悪化し立ち消えになりました。

今回の図書館ビジョンでも1区1館は変わりません。人口377万都市に18館というのはあまりにも少ない状況です。蔵書数も他都市に比べて貧弱です。事前アンケートでは「蔵書の充実「と「身近な場所での貸出・返却」を求める声が多数ありました。これに対してビジョンでは、ICタグなどデジタル技術の導入、地区センターなどとの連携、商業施設等への図書取次所の設置など、新設せずにサービスを向上するとしています。また、子育て支援として子どもスペースなどの充実とあらゆる世代・多様なニーズを包摂する居場所となることを掲げています。どのように多様な機能を住み分け或いは連携させるのか具体的イメージが見えません。

図書館は「市民、団体、企業等が持つ情報・知識を集め、協同・共創により地域の魅力を引き出し、人々の暮らしの豊かさと地域の課題解決を支援する、まちづくりのプラットフォームになります」と言っています。そのためには、各区で市民の意見を聞く機会を持つべきだと思います。現在の磯子図書館は築23年ですが、18区で一番新しい館です。今後どのような図書館にしていくかは、各区の市民等が議論して決めていくべきです。