上瀬谷通信施設跡地開発 花博とテーマパークは大丈夫?

横浜市は米軍から返還された上瀬谷通信施設跡地を開発して、2027年には国際園芸博覧会(花博)、2031年にはテーマパークを誘致するとしています。

博覧会というと「開国博Y150」の失敗を思い出しますが、花博は国際的な最高ランクの博覧会で、日本での開催は1990年の大阪以来となります。全敷地約242ヘクタールの南側約80ヘクタールを会場とし、開催期間は3/19~9/26、建設費約320億円は国・自治体・経済界が1/3ずつ負担、運営費約360億円は入場料収入などで賄うという計画で、1000万人以上の来場者数を想定しています。

テーマパークは2031年ごろの開業をめざしています。跡地の中央部約70ヘクタールを利用し、ディズニーランド規模のテーマパークと商業店舗の複合的な施設とし、来場者数は開業当初は年間1000万人、将来的には1500万人を目標とするということです。市は開発事業者を公募しましたが、手を挙げたのは三菱地所だけでした。

いずれの開発にとっても、交通手段の確保が課題でした。当初、市は新交通システムの導入する意向でしたが、横浜シーサイドラインは2021年11月に「現時点では参画すべきでない」と判断しました。しかし、市は上瀬谷通施設跡地と相鉄線瀬谷駅周辺を結ぶ約2㎞のトンネル掘削を検討しています。2031年ごろの開業をめざし、2024年度予算に約3億円を計上して調査・設計に着手する方針です。

今、大阪では2025年開催予定の万国博覧会について、開催を危ぶむ声が大きくなっています。建設費の高騰、工事の遅れ、海外パビリオンの撤退、軟弱地盤・地盤沈下、万博後の開発、カジノ誘致、さらに能登半島地震復興工事を優先すべきなど、さまざまな問題が指摘されています。そもそも万博の開催意義そのものを疑問視する意見もあります。

横浜においても同様です。テーマパークはアニメやゲームを核にした施設と言っていますが、東京の築地市場跡地でも同じような案が検討されています。人口減少社会において各地で同じような施設がつくられ採算がとれるのか、地球沸騰化対策が待ったなしの状況で開発の在り方として適切なのか疑問です。