山下ふ頭再開発 検討委員会の議論の行方は?

カジノ誘致を中止した山下ふ頭の再開発について検討委員会の議論が進んでいます。1月12日には第3回委員会がこれまでの学識者委員12人に地域関係団体委員6人を加えてが開催されました。検討委員会は決定機関ではなく、具体的な計画のために選択肢と付加価値をつけて意見を提示するということです。市当局が出した港湾の現状や経済・産業構造、人口動態などのファクトシートに加えて必要なデータ等の提示を求め、固定観念にとらわれずに議論する場です。会議はインターネット中継されていて、予定調和的ではない議論が聞けて興味深いものになっています。

次のような意見が出ています。

市の担当は港湾局、地域関係団体委員は主に港湾関係者だが、もっと幅広い市民の参加が必要ではないか。港湾地域から内陸の上瀬谷国際園芸博も包括した構想が大切。全市的な縦割りを超えた取り組みが必要。全世界が同じような都市風景になっている、横浜らしさが重要。20年、30年先を見据えたミレニアム世代やZ世代の環境価値・感性価値に合致するものでなければいけない。ロンドンでは建物の除却までのゼロカーボン脱炭素型開発が常識であり、グリーンでないと投資も人も集まらない。レジリエンス(社会としての耐久力)が大切。生産人口の減少は消費の減・社会保障費の増となりインバウンド戦略が重要、そのためには歴史・文化の保存だけではダメ。等々・・・ 再開発はやめて公園にという案もあるのではという意見も出ました。

委員の任期は2年でまだ議論は続きますが、これがどのような具体的な計画につながるのか注視していきたいと思います。委員会の議論に比べて市の基本計画は近視眼的ではと思います。山下ふ頭を「新たな賑わいの拠点」と位置付けていますが、人口が減少するなかで新たな賑わいにより既存の賑わいが衰退するというお粗末な結果にならないか懸念します。